昨今は、不規則、不健康、ストレスだらけのサラリーマンが増加中。そんな彼らにとって、もはや職業病とも言えるのが“肩こり”だ。だが、単なる肩こりと侮っていると、関節や内臓などに実は深刻な病気が隠れている場合があるらしい。そこで、単なる肩こりと危険な肩こりとはどこが違うのか、専門家に聞いた

単なる筋肉の痛みではなく、骨や関節に問題が起きている!?

厚労省の平成16年国民生活基礎調査によると、肩こりは男性の不調の中で、腰痛に次ぐ有訴者率2位となっている。けれど、肩こりで病院に行くサラリーマンはあまり聞いたことがない。一般の認識では、肩こりは痛くても我慢して放置か、せいぜい自分のこぶしで叩く程度だ。

だが、痛みの治療を行うペインクリニックの青木正美氏は言う。

「肩こりを放置すれば、めまいや頭痛を引き起こしますし、単なる筋肉の痛みではなく、骨や関節に問題が起きているのかもしれません」

男性は女性ほど肩凝りに悩まされないというのが一般の認識だろう。だが、「普段は肩凝りを感じていなかったのに突然激痛に襲われて、病院まで這って行ったことがあります」(35歳・公務員)。また、ケースとして多くはないが、肩こりの原因に内蔵の病気が潜んでいることもある。「肩が痛い、なんでだろうって言ってた叔父が狭心症で倒れました」(28歳・自営)。

肩こりなんか怖くない、そう軽んじるのは危険なこと。原因を知れば適切な対応策も変わってくるのだ。

【コメンテーター】
青木クリニック院長・青木正美氏
専門はペインクリニック。銀座という場所柄、肩こりに悩むサラリーマンやOLの駆け込み寺になっている。監修に『肩と首の痛みをとる本』(講談社)がある